自治体の人材確保・採用戦略研修に登壇しました

2026年8月、東海地方の自治体関係団体が主催する、総務・人事担当の管理職向け研修に登壇しました。
研修テーマは「3年後を見据えた人材確保と採用の実践戦略」です。
自治体における採用環境が厳しくなる中、欠員が出てから人を募集する「欠員補充型の採用」だけでは、人材確保が難しくなっています。
今回の研修では、採用活動だけでなく、入庁後の受け入れと若手職員の定着までを一体として捉え、自治体が今から取り組むべき対策を解説しました。
今回の研修で取り上げた内容
研修では、主に次の内容を扱いました。
- 3年後の組織を見据えた採用計画
- 自治体が求める人物像の明確化
- 近隣自治体や民間企業の求人情報との比較
- 求職者に伝わる採用ページと求人情報の作り方
- スマートフォンによる仕事探しを踏まえた情報発信
- 若手職員の早期離職を防ぐ受け入れ体制
- 入庁後1か月、3か月、6か月、1年の段階別面談
- 若手職員が相談しやすい管理職の関わり方
- TWIを活用した、教え方の標準化
自治体の採用では「仕事の具体性」が重要
自治体の求人情報では、「地域に貢献できる仕事」「安定して働ける職場」といった表現が多く使われます。
しかし、これだけでは、求職者が実際の仕事内容や働く姿を具体的に想像できません。
採用情報には、配属後に担当する仕事、若手職員の一日、繁忙期の状況、異動の考え方、成長の道筋などを具体的に示す必要があります。
「どのような仕事をするのか」「どのように成長できるのか」が分かる情報は、応募前の不安を減らし、採用後の認識のずれを防ぐことにもつながります。
採用と定着は分けて考えない
人材確保では、応募者を集めて採用することがゴールではありません。
採用した職員が職場になじみ、仕事を覚え、自分の成長を実感できるところまで設計することが必要です。
そのための方法の一つが、入庁後のオンボーディングです。オンボーディングとは、新しく入った職員が職場に適応し、能力を発揮できるように支援する取り組みです。
今回の研修では、入庁後1か月、3か月、6か月、1年という節目に面談を行い、次の点を確認する仕組みを紹介しました。
- 業務の理解度
- 職場の人間関係
- 入庁前の期待と現実の違い
- 成長の実感
- 今後の不安
- 将来像や異動希望
面談を個々の管理職に任せるのではなく、面談シートや記録方法を定め、人事部門が実施状況を確認することが重要です。
若手職員の定着には「教え方」の共通化が必要
職場によって指導方法が異なると、新人職員は戸惑います。
研修では、TWIの考え方をもとに、次の4段階で仕事を教える方法も解説しました。
- 習う準備を整える
- 作業の内容と重要な点を説明する
- 本人に実際にやってもらう
- 教えた後も継続して確認する
「一度説明したから分かっているはず」と考えず、実際にできるかを確認することが、育成の基本です。
これからの自治体に求められる人材確保
自治体の人材確保では、採用情報を出すだけではなく、次の一連の流れを整える必要があります。
「求める人物像を決める」
↓
「自治体の仕事と魅力を具体的に伝える」
↓
「応募前の不安を減らす」
↓
「入庁後の受け入れ体制を整える」
↓
「面談と育成によって定着を支援する」
今後も、社会保険労務士としての人事労務の視点と、心理・キャリア支援の視点を生かし、自治体や企業の人材確保、採用、定着、管理職育成を支援してまいります。
自治体・企業向け研修のご相談
次のような課題に対応した研修や支援を行っています。
- 応募者が集まらない
- 採用情報や求人票を見直したい
- 若手職員の早期離職を防ぎたい
- 新人の受け入れ体制を整えたい
- 管理職の指導力や面談力を高めたい
- 組織内で教え方を統一したい
研修内容や時間は、組織の状況や課題に合わせて設計します。人材確保、採用、定着、管理職研修に関するご相談は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
