【研修報告】福祉・介護職場のカスタマーハラスメント防止研修を実施しました

2025年10月7日、ウィングあいちにて開催された令和7年度福祉・介護職場環境改善研修「カスタマーハラスメント防止の取り組みと体制」において、私・特定社会保険労務士/公認心理師の山田真由子が講師を務めました。

本研修は、福祉・介護職場で働く職員の皆さまが安心して働ける環境を守るために、利用者や家族からの不当な要求・暴言・威圧的言動といった“カスタマーハラスメント(カスハラ)”を正しく理解し、現場で適切に対応できる力を高めることを目的として行われました。

■ 研修のねらい

  • カスタマーハラスメントの定義と法的背景(労働施策総合推進法=カスハラ防止法の改正内容)を理解する
  • 一般的なクレーム対応との違いを整理する
  • 福祉・介護現場で起こりやすい具体的なケーススタディを通じて、対応力を強化する
  • 組織としての防止体制・職員保護の仕組みを整える

厚生労働省『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』や最新の法改正動向を踏まえ、福祉・介護現場での事例を中心に講義とミニワークを行いました。

■ 研修内容

  • カスタマーハラスメントの定義と法律上の位置づけ
  • 「普通のクレーム」と「カスハラ」の見極めポイント
  • カスハラの代表的9類型(時間拘束型・リピート型・暴言型・威嚇型・SNS誹謗中傷型など)
  • 対応の基本ステップ(限定謝罪→傾聴→情報収集→提案)
  • 実際の事例をもとにしたケーススタディ(介護・保育現場での対応例)
  • 組織としての5つの体制づくり(方針明確化、マニュアル整備、報告・相談体制、記録の統一、外部連携)

■ 参加者の声

受講された皆さまからは、次のような感想をいただきました。

「具体的な事例を通して、現場での対応イメージがわきやすかったです。」
「質問にも丁寧に答えていただき、不安に感じていた対応方法が整理できました。」
「自分たちの施設にも、すぐに取り入れたい内容でした。」
「クレームとハラスメントの違いを理解でき、安心して対応できそうです。」

■ おわりに

福祉・介護の現場では、「人を支える」立場である職員が、時に理不尽な要求や暴言にさらされることがあります。
しかし、“サービスの質を守ること”と“職員の尊厳を守ること”は同じくらい重要です。
今回の研修をきっかけに、職場全体で「カスハラから職員を守る仕組みづくり」を進めていただければ幸いです。

今後も、社会福祉法人・介護事業所・医療機関など、人を支える職場の安全と安心を守る研修・コンサルティングを続けてまいります。


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