窓口担当者のためのハラスメント相談対応実務 研修実施報告

平和堂グループ ダイバーシティ推進部会様にて、ハラスメント相談窓口担当者向けの実務研修を実施いたしました。
本研修の目的
本研修は、カウンセリング技術を学ぶ場ではありません。
相談窓口担当者が、
- 解決者にならない
- 判断者にならない
- 一人で抱え込まない
という前提を共有し、「安全な対応を選べるようになること」を目的として実施しました。善意での対応が、かえって二次的な傷つきを生むことがあります。
そのリスクを防ぐための“型”を身につける内容です。
研修内容の概要
1.相談窓口の役割の整理
相談窓口の役割は3つに限定されます。
- 話を受け止める
- 事実を整理する
- 組織としてつなぐ
「感情のケア」「事実の判定」「その場での解決」は窓口の役割ではないことを明確にしました。
2.共感と同調の違い
今回の研修で特に参加者から声が多かったのが、
「共感と同調の区別が難しかった」
という点でした。
相談対応では、
- 共感=出来事・状況という“事実”を受け止める
- 同調=評価や断定に乗る
この違いが重要です。
例:相談者
「みんなの前で『使えない』と言われました。ひどいですよね。」
× 同調
「それはひどいですね。許されません。」
〇 共感
「皆さんの前でその言葉があったのですね。その場面があったことは受け止めます。」
評価に乗ると、
・加害/被害の構図を先に作る
・約束や断定につながる
・二次被害を生む
というリスクがあります。
この“わずかな言葉の違い”が、相談対応の質を大きく左右します。
3.相談対応の全体フロー
対応は次の流れで行うことを確認しました。
- 受付
- 限定謝罪+役割説明
- 事実確認(6項目)
- 記録
- 共有・相談
- 相談者への説明
順番を守ることが、担当者を守ることにもつながります。
4.記録の3原則
記録は、後から第三者が読むことを前提に作成します。
- 推測を書かない
- 発言は原文に近く
- 主観と事実を分ける
感情を書きすぎると、記録が“評価文”になります。
記録は事実中心であることを演習を通じて確認しました。
5.ケーススタディとつなぐ判断
匿名相談、緊急性のあるケース、加害とされる側からの相談など、実務に近い事例を用いて、
- どこまで窓口で行うか
- どのタイミングでつなぐか
- 誰につなぐか
を整理しました。
特に強調したのは、
窓口は「判断する立場」ではなく「つなぐ立場」である
という点です。
参加者の声(一部)
- 共感と同調の違いが想像以上に難しかった
- 言い換えの演習が実務に役立つと感じた
- 自分が無意識に評価していたことに気づいた
- 型があることで安心できると感じた
相談対応は「気持ち」で行うものではなく、
組織基準で行うものであることを共有できた研修となりました。
今後に向けて
相談窓口担当者は、組織の信頼を支える重要な役割です。
しかし同時に、担当者自身が疲弊しやすい立場でもあります。
だからこそ、
- 正しさより安全な対応
- 感情より事実
- 一人で抱え込まない
この原則を、組織として共有することが不可欠です。
ハラスメント相談窓口研修のご相談について
- 窓口担当者向け実務研修
- 管理職向け初動対応研修
- セカンドハラスメント防止研修
- フロー設計・規程整備支援
など、組織の体制に合わせた設計が可能です。
各種団体様、企業様にて
ハラスメント防止や相談体制強化の研修をご希望の場合は、お気軽にお問い合わせください。
