医療系機関での管理職研修を実施しました

今回はマネージャー層を対象に、「これだけは知っておきたい労務管理」 をテーマとした研修を行いました。
労務管理の基本から、現場で直面する課題への対応、さらには健康・心理・環境モデルを活用したマネジメント手法まで、幅広く学んでいただきました。研修では、参加者の方々からリアルなご質問を多数いただき、実践的なディスカッションが展開されました。また、質問に対して丁寧に回答させていただきました。
目次
受講生からの質問
Q1. 「わかりました」と言うのに改善が見られない部下への対応は?
「わかりましたか?」と聞いても、「わかりました」と返答があっても、本当に理解しているかは不明です。
そのため、
- これまでの説明を部下自身の言葉で話してもらう
- これから具体的に何をするのか答えてもらう
といった確認を取り入れることで、理解度を測り、行動につなげる工夫が必要です。
Q2. 些細なことで大きく落ち込む部下への対応は?
小さなことで気持ちが沈む部下には、リフレーミング(視点の切り替え)が有効です。
「もし友人が同じことで落ち込んでいたら、あなたはどんな声をかけますか?」
といった問いかけで、視点を変えるサポートができます。
Q3. 有給休暇を希望する日に、職場の事情で変更してもらうことはできますか?
年次有給休暇には「時季変更権」があり、事業運営に大きな支障がある場合、使用者(会社側)が時期を変更することが可能です。
ただし、これは「やむを得ない場合」に限られ、原則は従業員の希望日を尊重することが前提です。
研修のポイント
本研修では、上記のような具体的な部下対応に加え、以下の内容も扱いました。
- 労務管理の基本:労働基準法・労働契約法・労働安全衛生法のポイント
- 労働条件通知書の理解:労働時間・休日・休暇・賃金・社会保険
- 健康管理とメンタルヘルス:ストレスチェック制度、健康経営の重要性
- ワークライフバランスと両立支援:育児・介護休業、女性活躍推進
- ハラスメント防止:パワハラの定義と企業に求められる対応策
- 健康・心理・環境モデルの活用:部下の理解と人材育成につなげるマネジメント
特に「健康―心理―環境モデル」をベースにした部下理解は、医療現場におけるマネジメントに直結する内容として高い関心をいただきました。
今回の研修を通じて
参加者からは、
- 「現場でよくある悩みにすぐ使える答えが得られた」
- 「法律や制度を根拠にしながら、心理的な視点を交えた説明がわかりやすかった」
- 「自分のマネジメントを振り返るきっかけになった」
といった声をいただきました。
部下のことを理解したり、マネジメントに役立つ本として、『部下を知らない上司のための育成の極意』がお勧めです。ぜひ、手に取ってみてください。