採用がうまくいかない…そんなときの相談事例

介護事業所の「人が来ない」悩みに、現場目線での具体策を
「ハローワークに6件も求人を出しているのに、応募がまったくない」
―そんなご相談を、ある介護事業所の責任者からいただきました。
深刻化する人手不足のなか、「待つだけの採用」から一歩踏み出すことが必要です。
そこで、当事務所では以下の5つのアドバイスを行いました。
5つのアドバイスとは?
1.求職者が戸惑う“ズレ”に要注意
「トライアル雇用」と言いつつ、実は経験者向け?
今回、応募が集まらなかった最大の原因は、求人票の表記と実態の“ズレ”でした。
「トライアル併用雇用」とうたいながら、実際は経験者でなければ務まらないサービス提供責任者の募集内容だったのです。
求職者の本音はこうです:
「未経験歓迎かと思ったのに…」
「サービス提供責任者って、資格だけじゃダメなら最初からそう書いてほしい」
「これって、正社員募集と何が違うの?」
こうしたズレは、不信感や戸惑いを生み、応募の足を止める原因になります。
2.“表記と実態のねじれ”は、応募者離れを招く
たとえば、ハローワークの求人票で「トライアル併用雇用」と記載すれば、助成金等のメリットがあります。
しかし、未経験者を受け入れる体制がないまま使ってしまうと、かえって逆効果になることも。
対応策は以下の通りです。
実態に即して「○年以上の実務経験必須」など、条件を正確に記載しましょう。
「トライアル雇用=即戦力を見極める制度」ではないことを踏まえ、表現を見直したり、表記そのものを外すことも検討しましょう。
🔹 求人票は「ミスマッチを防ぐフィルター」です。
応募が来ない原因は、求職者の質ではなく、「伝え方」が曖昧なだけかもしれません。
3.求人票の“見せ方”を工夫する
求人票は、ただ載せれば良いというものではありません。
以下のような「見せ方の工夫」が、応募数に大きく影響します。
表現が曖昧で、仕事内容が伝わらない
応募者にとっての“働くメリット”が書かれていない
他社と比較して印象に残らない
特に、求人票の内容を本社が一括管理している場合は、現場の声を反映できる体制が必要です。
現場での反応やニーズをデータとしてまとめ、改善提案を行うことで、柔軟な見直しが可能になります。
4.“アルムナイ採用”を活用しよう
アルムナイ採用とは、かつて働いていた元スタッフに声掛けをするなどの採用のことです。
「子育てがひと段落したので、また働きたい」
「やっぱり介護の仕事が好きだった」
そんな方に「戻ってきませんか?」と声をかけるアルムナイ採用は、有効な手段です。
元職員との関係が良好であれば、再就職のハードルも低く、即戦力として活躍してくれる可能性が高まります。
5.競合他社をリサーチし、自社の採用力を“見える化”する
他の事業所は、どんな求人条件で人を集めているのか?
どんな表現で求職者にアピールしているのか?
競合調査を行うことで、自社の改善点が明確になります。
採用活動を本部任せにせず、現場発の改善提案を行える体制づくりがカギです。
採用は「事業所単位」で考える時代へ
地域性や職種特性に合った採用戦略が求められる今、画一的な本部主導の採用では限界があります。
当事務所では、以下の支援を一括でご提供しています。
求人票の見直し・改善
競合他社の採用リサーチ・分析
「応募が来ない」を「人が集まる現場」へ。まずは、現場の声を聞かせてください。
採用支援の無料相談を随時受け付けています。
▶ 求人票改善や採用支援のご相談は、[お問い合わせフォーム]からどうぞ。
「求人弱点診断」をご提供いたします。 (1時間22,000円)
貴社の求人状況やウェブサイトを分析し、「問題点の特定」や「応募者を増やすためのアドバイス」を【採用相談】の場でお伝えします。
これにより、 「美しい採用サイトを作成しているのに、なぜ応募が来ないのか」 「Indeedを利用しているのに、なぜ応募が来ないのか」 「悪質な人材紹介会社に騙されないためにはどうすれば良いのか] といった疑問が解消され、「人材に困らない企業」へと変わるための第一歩を踏み出せます。
セミナー・研修・講演

リーダー育成、メンタルヘルス、ハラスメント防止、採用と定着等、ニーズに対応した実践型研修を提供します。
コンサルティング

採用支援、ホワイト財団、介護や福祉の処遇改善加算、就業規則、ハラスメント防止等のコンサルティングを行います。
著書・執筆

著書の執筆、雑誌への寄稿・監修、リーフレット原稿の作成を行います。また専門家としてインタビューにも応じます。